「電気印刷®」の研究・開発の出発点

電子写真の静電潜像転写法でITOフィルムに画像を形成した電潜像がフィルム上で安定していて、転写しても像が乱れない。


▲ ITOフィルムに静電潜像転写法で形成した画像


▲ 電気印刷®のプロセス(トナー現像と無電解銅めっき)


▲ 電気印刷®した細線(10μm)の電気回路


電気印刷®利用範囲は、広い

■ 各種記録フィルムに電気印刷®ができる
■ 3次曲面の電気回路も作成可能

各種記録フィルムに電気印刷®ができる

◆ ITO
◆ PET(ポリエチレンテレフタレート)
◆ PC(ポリカーボネート)
◆ PI(ポリイミド)
◆ COP(シクロオレフィンポリマー)
◆ LCP (液晶ポリマー)

など

標準的な記録フィルム

電気印刷®の基本はフィルムと版を重ねて高電圧を印加し、静電潜像を印刷すること。標準的に使っている記録フィルムは薄いPETフィルムの片面に透明な導電層を加工したもの。フィルムの厚さは薄い方が画質が良いので、厚25μmのPETフィルムを使っている。取り扱いやすくするために、厚50 ~100μmのPETフィルムを裏打ちすることもある。

真空成型てきる記録フィルム

真空成型できるフィルムとして、 A-PET (アモルファスポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)などが知られている。A-PETやPSは耐熱性が低いので、電気部品用途には適していない。
この用途には厚125μmのPCフィルムを使っている。このフィルムを使って3D曲面に電気回路を印刷した。

高周波通信用の記録フィルム

5Gなどの高周波通信用の基材として、伝達損失の少なく誘電特性の良いcop (シクロオレフィンポリマー)やLCP (液品ポリマー)フィルムにも電気印刷®できる。


▲ COP、LCPフィルムに電気印刷®した試作品

3次曲面の電気回路も作成可能

銅メッキした電位回路を3次曲面に加工すると、銅回路は断線しますが・・・

3次曲面に形成した後に銅メッキすると、銅回路は断線しません!!!


「電気印刷®」のプロセスと製造装置(量産化対応)

Roll to Roll電気印刷®機

Roll to Rollの電気印刷®機は長さが約1mのコンパワト装置。
200mm幅のフィルムを電気印刷®して巻き取る。インクを使わないので乾燥は要らない。

Roll to Rollのトナー現像機

Roll to Rollの電気印刷®機でフィルムに静電潜像を印刷した後、Roll to Roll式の現像機で液体トナーを現像し定着する。
フィルム上の静電潜像は安定しているので、電気印刷®後トナー現像までのタイミングは余裕がある。


▲ Roll to Rollのトナー現像機


進化し続ける「電気印刷®」

進化し続ける「電気印刷®︎」

3次曲面の電気回路の作成

平面に加工した銅の電気回路を円筒状( 2次曲面)に加工できる。これは表面にした銅の電気囘路に伸縮がないからである。
しかし、半球状( 3次曲面)に加工すると銅回路は伸びてしまい断線してしまう。


▲ 半球状(3次曲面)に加工した電気回路は断線します


▲ 断線のない電気回路

電気印刷®した銅回路の密着性向上

「めつきが剥がれる」との言葉が残っているようにめつき膜は剥がれやすい。粘着力の弱いテープで銅膜を剥離すると簡単に剥がれててしまった。各種フィルム表面処理(コロナ、UV)による密着性向上を果たせた。


▲ クロスカット試験


▲ クロスカット試験で剥離しなかった銅膜

開発した機能性トナー

●最初に開発した「めつきトナー」
●感熱トナー
●リフトオフ法:溶解トナー
●微細な孔が空いた銅箔の製造:剥離トナー

新しい機能を持っトナーで電気印刷技術の応用の範囲は大幅に広がった。

最初に開発した「めつきトナー」

電気印刷®法で印刷した静電潜像をこのトナーで現像し、無電解めつきで銅をめつきすると電気回路ができる。
この方法は
①3D曲面に電気回路ができる
②10μmの細線の回路ができる
なと、の利点かある


▲ 3D曲面の電気回路


▲ 電気印刷®した細線(10μm)の電気回路

感熱トナー

感熱トナーを現像したフィルムと金属転写箔を重ねて加熱すると、トナーと金属箔が圧着する。金属転写箔を剥がすとフィルムのトナー像に金属箔が転写している。金属箔は導電性があるので電気回路を形成できる。
このプロセスは酸やアルカリ、水を使わないで全工程をRoll to Rollて効率的に生産できる特長がある。


▲ 金属箔を転写した回路。右は電気印刷®・トナー現像したPETフィルムに金属箔を転写した回路。左は転写後の金属箔

リフトオフ法:溶解トナー

有機溶剤に溶解する『溶解トナー』を開発して、電気印刷®・リフトオフ法を試みた。ネガ画像を電気印し、溶解トナーで現像し、銅を全面に蒸着した後に有機溶剤でトナーを溶解して剥離するとポジ像の全属像が形成できる。この方法でできた電気回路の下にはトナーが残っていない。
基板に直接回路を形成しているので、高速通信回路では基板の誘電特性を損なわない利点がある。


▲ 電気印刷®・リフトオフ法


▲ リフトオフ法の試作品

●微細な孔が空いた銅箔の製造:剥離トナー

めつきした金属膜が剥がれやすいトナーを開発した。フィルムに微小な孔のある像を電気印刷®後「剥離トナー」で現像し、これに無電解めつき工程で約1μm程度の銅膜を形成した後、電気めつき工程を追加して銅膜を約30μm程度に厚く形成し、その後銅箔をフィルムから剥離すると微細な孔の空いた銅箔が得られた。

<用途>
電機髭剃り器の刃や精密フィルターなどの微細な孔が多数ある金属板の製造。


▲ 微細な孔が空いた銅箔


「電気印刷®」でできる製品例

■タッチパネル(メタルメッシュ方式)
■透明ヒーター
■透明アンテナ
■薄型コイル(非接触充電器)
■FPC
■孔空き銅箔(リチウムイオンキャパシタ)
■3次曲面ヒーター


▲ 3D曲面の電気回路


▲ リチウムイオンキャパシタ

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